EMERAUDE ARCHITECTURAL LABORATORY CO,LTD. 
 

※このコーナーではTOPICSで取り上げた記事の概要をお伝えしています。

北橘の家-Ⅱ  二世帯住宅、いよいよ子世帯部分の二期工事がスタート。


これまで第1期の工事中に住んでいた住まいの一部もいよいよ取り壊すことになり、ヨメに行った長女夫妻の家族が一緒に住むという子世帯住宅の工事が再び始まった。オヤ世帯の方はご覧の新居が完成して移り住んだばかり。次女はとても綺麗なお嬢さんだが今のところヨメに行く気はないとのことで次女室には自炊も可能な書斎が備え付けられている。オヤ世帯のダンナ様は計画に口を挟まないので計画の全てはこちらのオカア様とムスメ二人、つまり女性3人の意見でまとまった、とてもとてもフェミニンな住まい。

二世帯住宅/造られ方は様々。この家族の場合は玄関二つが隣り合わせに並んだ形、ドアひとつで繋がっている。いずれも1階部分で生活ゾーンを構成しているが子世帯の子供室はロフトにベッドスペースが、オヤ世帯の方はご覧の次女の生活ゾーンが2階に配置されている。

親世帯/仏間よりLDK

次女室/書斎兼家事室

F幼稚園  鬱蒼とした樹木たち。学園の歴史を継承する新園舎計画。


市街地に建つ幼稚園計画である。
隣接する住宅たちと三方道路とに囲われた園舎は意外にも50年余の歴史を刻む樹木たちの巨大な幹と広がる緑の葉陰とで鬱蒼としている。窮屈な全体と、緑に溢れた自然環境の豊かさとで不思議な世界が形成されていた。子供たちにのびのびとした豊かな環境を用意してあげたい。園長の願いは都市型建築とはいえ、建築で出来る豊かさの可能性を信じ、その実現を私たちに託してくれたことでスタートした。緑に溢れた新しい園舎建築の計画がいよいよ始まる。

建築と自然、そして「建築という自然」/自然の定義は広いから自然を緑と解釈したとしても、建築と樹木とは常に別環境として存在していることが多い。建築と緑とはいつでも同居しているように見えて、実は単にその点在の合計量で語られることが多い。たとえば建築で切り取ったパティオの中に存在する樹木。テラスの前に植栽された緑など。建築と緑とが文字通り一体となった建築はなかなか見つけることが出来ない。建築が自然の一部として、同列で定義できるような建築環境はつくれないものか…。

アプローチ方向より園庭と園舎

樹齢50年となる木登りの樹/子供たちの足の痕跡

伊香保温泉の老舗旅館「岸権」/足湯「辰の湯」   石段街に面した黄金の湯掛け流しの「足湯」計画。


伊香保温泉・創業400余年にも及ぶ老舗旅館「岸権」で石段街に面した正面玄関のリニューアル計画が完成した。岸権旅館の堂々たる雄姿が石段街から直接見える。〈「岸権」の顔をどう創るか〉、が最大のテーマとなり、敷地内で育った樹齢数百年を数える大けやきの倒木を門柱とした。足湯は石段街を訪れる観光客への無料サービスだが、ふんだんに使った石の量とその精度とに誰もが驚嘆する玄関が完成した。早くも伊香保温泉の新しい名所として客足の絶え間がない。

伊香保温泉〈源泉かけ流し〉/伊香保温泉で温泉旅館を営む56軒ほどの旅館のうち、無色透明な「白金の湯」に対して、古くからの茶色く濁った鉄分の多い温泉水「黄金(こがね)の湯」を引湯できる旅館はわずか12軒のみ。12子になぞらえて岸権には「辰」が与えられている。足湯を「辰の湯」と命名し、湯量の少ない伊香保温泉にもかかわらず、温泉水は〈黄金の湯掛け流し〉だ。

石段街よりみる全景

「足湯」と門柱