
既存客室/露出したエアコンが何ともチープ…。
既存建物の解体
これまでは客室として使用されていた二間続きの部屋を改装します。
これまでの客室は学生の合宿など団体さん用の大部屋として利用されていましたが使い方を180度変えて、なんと「高級食事処」に改装することになりました。既存の空調機などは最大限生かして経済性を重視した計画としています。たとえば露出したエアコンをどう隠すか、難しいテーマの一つとなりました…。
既存を活かす 店舗の改装工事は採算性を重視することが最大のポイント。「最小限の予算でどこまで変化させられるか」が勝負どころです。

まずは必要ない部分をきれいに解体しました。
解体 必要ない部分をすべて取り壊しました。
表面の仕上げを全部壊すと建物の「内臓」が現れます。天井裏や壁の中を空調のダクトが走り、照明などの電線が縦横に走っているのがわかります。新しい計画とどう整合させるか。各種工事職人さんたちと綿密な打ち合わせを行います。
生き続ける「旅館」 一般的には旅館は何度も改修されながら生き続けています。古い部分や使いにくい部分、時代と人のニーズに合わせて何度も改変され、新しくされながら新陳代謝を繰り返すのです。私たちが温泉宿に泊まり「いい旅館だ…」、と思う時。それは歴史を継承してきたかのような設えを残しつつ、気持ちの良い新陳代謝が行われている仕事の痕跡こそ、そう感じるのです。

古いエアコンが壁の奥に組み込まれます。

装飾壁が張られました。
造作工事 壁や天井の下地が組まれ、臓物部分を整理しながら覆って行きます。
電気や設備工事をどうするか。特に厨房がなかったところに厨房をつけることは至難の業といえます。なぜなら水の処理が大変だからです。給水をどう導いてくるか、排水をどう処理するか、電気の配線は、換気扇のダクトはどこから抜くか…、それぞれの技術者たちと綿密な打ち合わせをしながらしっかりと排水勾配をとれるように、建築工事が慎重に進められます。

完成予想図/CG画